⑤世界の動き(2020.07.05):フランス、イタリア、英国など日本からの観光客も入国許可。
●EU、日本からの入国続々許可
欧州連合(EU)が第1弾の域外からの渡航を受け入れる国のリストに、日本、韓国、タイ、オーストラリアなど15カ国を選んだことを受け、欧州各国政府が対応を明らかにした。フランス、ギリシャ、イタリアなど、欧州各国が日本からの入国を認める動きが相次いだ。
現地報道などによると、すでにフランス、オランダ、ギリシャ、イタリア、スペイン、デンマーク、スウェーデン、クロアチア、ラトビア、ルクセンブルク、キプロスが日本からの入国制限を解除。これらの国への観光やビジネス目的での入国が認められた。
また、スイスは20日から、スウェーデン、リトアニア、マルタ、ベルギー、アイスランドも近く入国制限を解除する見通しとなっている。
●入国後の自主隔離求めないフランス、スペイン。求めるイタリア
入国にあたっての条件は国によって異なり、入国後の自主隔離は求めないフランスやスペイン、入国後14日間の自己隔離を求めるイタリアなど、各国で対応が分かれる。イタリアでは相互性が条件の中国以外の14カ国からの入国を7月1日から再開。入国に際しては、イタリア政府が定める自己宣誓書でイタリアへの入国理由を説明し、イタリア政府から入国の承認を得ることや、入国後14日間の自己隔離などが義務付けられている。
スペインも7月4日午前0時から渡航規制の一部を解除。EUが示した15カ国を入国制限解除国の対象国とした(ただし、アルジェリア、モロッコ、中国は相互主義を条件としている)。スペインに渡航する前に健康状態や旅程予定を申告するシステムへ登録し、その際発行されるQRコードの提示が、空港で求められる。
●イギリス:10日から59カ国・地域と在外英領14カ所を対象に規制緩和
1月末にEUを離脱したイギリスは、欧州域内の移動の自由を保障した「シェンゲン協定」加盟国には含まれていないが、移行期間のためEU域内の移動は認められている。イギリスでは6月8日以降に入国した全ての人に14日間の自主隔離を求め、違反者には罰金を科す厳しい措置を実施しているが、10日よりイングランドに到着後、日本を含む一部の国・地域を対象に自主隔離が不要となる規制緩和を実施することを発表した。
対象となるのは、日本のほかギリシャ、スペイン、フランス、ベルギー、オーストラリア、香港、ニュージーランド、ベトナムなど59の国や地域と在外英領14カ所。これらの国や地域から到着する人は、これまで求められてきた14日間の自主隔離が免除される。中国、アメリカ、スウェーデン、ポルトガルなどの対象に含まれない国から、イングランド到着後は2週間の自主隔離が必要となる。
今回のイギリス政府の決定は、イングランドに到着する人が対象となる。スコットランド、ウェールズ、北アイルランドについては、それぞれの自治政府が判断し発表するとしている。
そんなイギリスでは7月4日、3月下旬から新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために長く続けられてきたロックダウン措置が緩和され、約3カ月ぶりにパブやレストラン、美容院、映画館などの営業が再開された。インスタグラムやツイッターなどのSNSには、久しぶりにパブを訪れパイントビールを楽しむ人々からの投稿が多くアップされていた。
●日本は、欧州からの入国拒否を継続
EUが域外からの渡航受け入れる第1弾の国に日本を含めたことで、日本からの入国を認めるEUの国は増えているものの、日本政府は、欧州全体に対して、新型コロナウイルスに関する感染症危険情報レベル3としており、欧州への渡航中止勧告を出しており、欧州からの入国も拒否している。
EUから日本人が帰国した際も、PCR検査の実施と14日間の自宅などでの待機を求める措置を7月末まで延長することを6月29日に発表しているため、自由な往来再開とはいかない。
(出典:やまとごころjp.)