アメリカゴルフの「メッカ」がペブルビーチだとすれば、オーランドはアメリカゴルフの「ホーム」です。
PGAツアープレイヤーの多くが住居を構え、ゴルフチャンネルや米ゴルフウィーク誌等を筆頭にヘッドクオーターを置くオーランド。
最新ゴルフ用品とメーカーが年に一度、一堂に集うPGAマーチャンダイズショーが行われるのもココ、オーランドです。通年ゴルフが出来るフロリダ、とりわけオーランド近郊は15分も車を運転すれば、10以上のゴルフ場を通りすぎ、フラっとゴルフへ出かけられるゴルファーズパラダイス。アメリカゴルフに関する情報や人の多くはここに集まります。そして中学・高校と過ごした僕の第2の故郷でもあります。
オーランドには一流のゴルフリゾートから、あまり芝の生えていないパブリックゴルフコースまでさまざまなゴルフ場がありますが、点在する大小の沼を上手く使ったすばらしいゴルフ場が多いのが特徴です。ここのゴルフは、それぞれのゴルファーのプレイスタイルやステイタスに合わせて、まさに大人から子供まで楽しめるスポーツ。ジュニアゴルファーは場所と条件によっては無料でプレイが出来ます。たとえば高校のゴルフの試合には地域のコースが午後4時ごろからのプレイを無料で開放しますし、週1回のアルバイトをすればいつでも回り放題、などの条件で開放してくれるところが多くあります。そういった環境で、コースのメンバーや常連、プロなどとの交流を若い頃から深くとり、それぞれ色々と問題を起こしながらも社会性や文化を学ぶ教育の一環になっているように思います。
オーランドの名門、アーノルド・パーマーのベイヒルクラブも、積極的にジュニアへゴルフ場を開放しているクラブのひとつです。
アーノルド・パーマーとベイヒルクラブ
オーランドがアメリカゴルフの「ホーム」になった、、、その功労人はアーノルド・パーマーでしょう。
PGA TOURイベントの中でも多くのビッグネームが集う伝統の試合、ARNOLD PALMER INVITATIONAL(アーノルドパーマー招待)。
会場はオーランド郊外のベイヒルクラブですが、その発端はもう半世紀ほども前のパーマーとベイヒルの出会いでした。
1965年、パーマーはJ・ニクラウス等とのエキシビジョンマッチの為、初めてベイヒルに訪れました。
1961年に開場した、まだ出来て歴史の浅かったベイヒル。荒削りではありましたが、その地形を生かした見事なゴルフ場に魅了されたパーマーはエキシビジョン後すぐ、奥さんに「フロリダ最高のゴルフ場を見てきた。そこを買いたい」と報告しました。
オフシーズンに家族と過ごす、自然に囲まれた静かな土地を探していたパーマーにとって、温暖な気候に恵まれたオーランド、そしてベイヒルは最高の場所だったでしょう。
その後、実際にオーナーになるには少し苦労があったようですが、程なくしてパーマーはベイヒルのオーナーとなりました。
そして3年後、ベイヒル招待が開催されることが決定。
以来、ベイヒル招待がツアープロにとって最高の試合になるよう、パーマーは独自の理念とスタイルでベイヒルを磨き上げて来ています。
Mr.パーマーは、冬はここに住んでいますから、プレイをしていれば遭遇する可能性は決して低くないです。
ベイヒルはもちろん良いですが、お勧めはオレンジカウンティナショナルGC。パンサーレイクコースとクルケットキャットコース、9ホールのトゥースコース、そして超広大な練習場を持つ最高の場所です。PGA TOURのQ schoolや全米オープンの予選などを行うコースで、このコースを攻略することが出来ればカナリの達成感があります。満足にホールアウト出来た例がないので、いつかは何とかしてやりたい。
テーマパークが集中するリゾート地。何もなく安い沼ばかりの土地にディズニーワールドを作った、とも言われるオーランドですが、その沼地がゴルフには最適だったように思います。
Hikaru Yakushiji