桂ゴルフ倶楽部 / ニドムクラシックコース ニスパNO.9ホール
ALL Photos by T.SHIMAZU
小樽CC、札幌GC(輪厚コース)、室蘭GC、樽前CCが隠し味と陰影の和風庭園の代表作なら、彩やかな色彩、洋風アメリカンコースの代表はJ.ニクラスの北海道クラシックゴルフクラブとR.T.ジョーンズJrの桂ゴルフ倶楽部。
アメリカ本土ばかりでなく、タイやフィリピン、中国昆明など世界中で軒を並べる両雄が(もちろん設計の世界でのみだが…)豊かな大地を贅沢に使って、ほぼ同時期にフェアウェイにまでベント芝を敷き詰めて上質に仕上げられた両コースは、毎年全国ランキングの上位を競い合う。
先月日本アマチュア選手権(7/11~7/14 優勝 宮里優作3―2金昊天)が開催された北海道クラシックGCは18H 7,059Y P72 C/R73.7と距離もたっぷり。ニクラスに「ノースカロライナ州パインハーストを彷彿とさせる」と言わしめたどこまでもフラットな大地に、青々と輝く50~80ヤード巾の池やクリークが8ホールにも絡む…。ティーショットを少しでも擦ったらセカンドショットは池までのレイアップだなんて、めったに出来ない屈辱。挑むか、刻むか、それが問題の難コースです。
世界中に200コース以上を手がけたR.T.ジョーンズJrが描いた、桂ゴルフ倶楽部18H 7,116Y P72 C/R73.4。原生林を切り拓いて作られた緑の回廊にベンウェイベントの優美なフェアウェイが右に左にゆるやかに横たわり、高低差を巧みに使って描く絵心が秀逸。
「ショットとは、設計者の描いた未完のキャンバスに、その日のピン位置や風向きによってイメージした白い放物線を描いて名画を完成させる作業である」とこれ程までに確信させられるコースは少ないだろう。
3番、12番、15番、18番とメモリアルホールのショットバリューの充実感こそ、R.T.ジョーンズJrの真骨頂です。
‘94年からプロミス杯日本マッチプレー選手権が開催されている、ニドムクラシックコース(ニスパコース18H イコロコース27H‘88開場)はテレビでもおなじみの美しいコース。深い原生林を切り拓いて作られた森と泉の45ホールには時折キタキツネやエゾシカが姿を見せ、澄んだせせらぎに小魚が群生する。
今年度(8/31~9/2)からマッチプレーの舞台がニスパコースからイコロコースに変更されたので高低差40ヤード、ダブルクリークのメモリアルホール(イコロNO.5/トーナメントNO.14)の雄大なティーショットが放映されるのが楽しみだ。
レナード・バーンスタインが日本の最後の夜を過したと言う、木と石の教会が併設された「ホテルニドム」のコテージに泊って一挙に壮大な45ホールを攻略するのもリゾートゴルフの醍醐味です。