左:小樽カントリー倶楽部(銭函コース)
右:室蘭ゴルフ倶楽部 ALL Photos by T.SHIMAZU
北海道のゴルフの歴史は73年前に遡る。日本海の荒波が押し寄せ、はるかスコットランドを彷彿とさせる銭函海岸に、昭和3年フロンティア精神溢れる弱冠39才の三菱マン佐藤棟造が9H 2,250Yの小樽CC(旧コース)を開場させて以来、赤星四郎設計の函館ゴルフ倶楽部、昭和4年室蘭ゴルフ倶楽部(イタンキコース)、昭和7年には川奈GCを設計した大谷光明の月寒リンクスなどが開場、北海道ゴルフの歴史が始まった。
昭和30年代の高度成長時代に入って、時の名匠井上誠一、上田治が相次いで来道、昭和48年から全日空オープンの開催されている札幌ゴルフ倶楽部(輪厚コース/昭和38年)(由仁コース/昭和49年)樽前カントリークラブ(上田治本道唯一のコース/昭和37年)などが開場、第1次ゴルフブーム時代が到来した。
小樽CCでは旧コースに隣接して昭和49年安田幸吉設計の新コース18H 6,429Y P72がオープン、昭和53年には創立50周年の日本プロゴルフ選手権(小林富士夫7アンダー)が、平成2年(雪虫の舞う中 ジャンボと激闘、中島常幸2アンダー)と平成11年(尾崎直道 嵐の11オーバー/この年のTV視聴率NO.1の大会となった)には日本オープンゴルフ選手権が開催されたのはご承知の通りである。余談になるがコースの近くにメンバーであった「石原裕次郎記念館」があるので興味のある方は是非立ち寄って欲しい。彼の愛用した傷だらけのパーシモンとスチールシャフトが往時を偲ばせ、旅の思い出を創ってくれる。
9月27日から日本女子オープンが開催される室蘭ゴルフ倶楽部(白鳥コース 昭和40年開場)も欠かせない。札幌市内から遠いので(車で約2時間)知名度こそ低いが、井上誠一ファンならず共、是非一度ラウンドして頂きたいコースのひとつ。開場後一切改造をしていないにも拘らず現在の道具の飛距離をもってしても難攻不落。ティーインググランドの高低差と自然の樹木を巧みに配して、玉筋の打ち分けを微妙に要求する技法が見事だ。
いずれのコースも北海道特有の松林でセパレートされ、ケンタッキーブルーグラスのフェアウェイとベントグリーンで名匠の描いた日本庭園の造形美、陰影を存分味わえる。旅にもご飯と味噌汁が欠かせない和食通に打って付けのコースです。